帯電防止剤は電荷を流すため導電性が求められているので、表面抵抗の測定のみによって管理されるのが業界常識になって居ます。しかしながらDodenizerの場合、帯電防止をするのは表面だけでは有りません。
Dodenizerは基本の導電機構は中に含まれている電荷移動錯体による物で、電荷移動錯体の特長は必ずしも連続して居なくても電荷を漏洩出来る所にあります。電荷移動錯体は表面にも分散して居ますので表面も電荷は流せますがこの場合は電荷移動錯体の持つ親水性の部分が空気中の水分を吸収してその組み合わせで電荷が流れるので湿度が高い時は半導体域(10の8乗レベル)の導電性を示しますが低湿度(25%以下)では絶縁材料に近い表面抵抗(10の12乗、13乗レベル)を示す事も有ります。
電荷移動錯体を使用した成型品では表面抵抗が10の12乗、13乗のレベルでも体積抵抗も10の12乗くらいに成ります(導通があると言う事です) 体積で導通があれば電荷は内部で漏洩するため、材料は帯電する事は有りません。
この場合の帯電防止性の管理をいかにするべきかは次の様な方法があります。
①スタティステイックオネストメーターなど電位漏洩の測定装置で減衰時間を測定する。(一般的な樹脂の成型工場で使用するには大掛かりである。)JIS対応
②摩擦などの方法で材料に静電気を帯電させて、その減衰状況を電位計で測定する。ーーー簡易法
③梅潭行社が販売している、簡易静電気センサーを使用する。 材料を摩擦帯電させて、そこに樹脂の発泡粒の吸着を観察して静電気の有無を判定する。
ーーーー物理の実験