新規導電性付与理論に基づく

プラスティックの永久帯電防止剤

電荷移動錯体の帯電防止技術

 ボロン研究所の開発したホウ素系電荷移動錯体は電子(静電気等)に接すると導電化する機構(イオン結合分子に変化する)を持っている。又電荷移動錯体同士の接続がなくても電子が飛べる範囲であれば導電化が可能と言う特質を持っている。すなわち静電気が発生すると電荷移動錯体が導電体となって成形品の内部も表面も電荷移動錯体が分散しているところはどこでも電荷が漏洩のルートとして使用できる。

 

 従って成形品中では電荷移動錯体同士の距離があまり離れない事(密度が高い事)が要求されるが、成形品中に0.5%程度入っていれば電荷漏えいが可能になる。

長所は半永久的な電荷漏えい性、成形品への添加がマスターバッチの0.5%程度の添加と大変に少ない為ベース樹脂の物性成型性に対する影響が殆んど無い事。

短所は電荷移動錯体がベンゼン核を持つ為若干薄茶色をしており、透明材料に添加すると黄色傾向が起きる。時々表面がべたつく傾向が見られるが、これはマスターバッチ内での電荷移動錯体の分散度合の問題で当社のマスターバッチでは起きません。

 

電荷移動錯体は導電性自体は大した物では有りません、しかしながら親水性の性質も持っており表面に分散した電荷移動錯体は空気中の水分と結合して抵抗値の向上に貢献します。湿度の高いシーズンには低い表面抵抗(10の9乗程度)を示します。湿度の低い(25%以下)時には比較的高い表面抵抗(10の12乗から13乗)を示します。このレベルですと一般的な帯電防止剤は効果が有りませんが、電荷移動錯体系の帯電防止剤は樹脂内部に分散した電荷移動錯体が電荷漏洩のルートに成って電荷を減衰するため、電荷漏洩を表面と内部を同時にするために、内部に電荷の残さを残す事なく減衰する事ができます。

表面の抵抗値が半導体領域(10の6乗から9乗)であれば一般的には十分な帯電防止性が有ると言われますが、実際は表面だけの導電性では内部の電荷は残り静電障害のリスクを残すと言われております。