ドナーアクセプター型分子化合物系帯電防止剤の開発

開発者の浜中氏(ボロン研究所)はホウ素の半極性と言う特殊な構造から生み出される特異な性質に着目して油溶性型と水溶性型の両方の性質を持つ半極性ホウ素界面活性剤の合成に成功し、その機能を展開して行く中で、既存技術では困難であった電荷移動錯体の開発に至った。

 

 

電荷移動錯体とは、電荷が分子間で移動できる2つ以上の異なる分子もしくは1つの巨大分子の異なる部分の会合体である。会合により分子が静電気的に引きつけられ、錯体が安定化される力が生まれる。電子を供与する分子は電子供与体(英語版)、電子を受容する分子は電子受容体(英語版)と呼ばれる。2種類以上の分子からなる分子化合物の内、電荷移動相互作用を有するものである。例えば電子供与性の分子と電子受容性の分子を混合した場合に、電子供与性分子から電子受容成分子に部分的な電荷移動が起こり、その結果として電荷を帯びた分子同士が軌道相互作用や静電相互作用などの引力によって錯体を形成する。(Wikipedia より抜粋)

 

浜中氏の開発した電荷移動錯体は常態では単なる分子化合物だが、一旦電気的な刺激を受けるとホウ素に含まれていた水酸基のOH基のH+が窒素化合物に引き込まれ、ホウ素化合物も窒素化合物もイオン化して晴れてイオン結合物に成ると言う物で結果として、電子又は正孔が移動可能と成り帯電を減衰する機能を持つ。 最近の特許では電荷移動性能が向上し且つ耐熱性が向上して非常に使いやすい帯電防止剤になっている。。

 添付資料の「ドナー・アクセプター系分子化合物型帯電防止剤の製造と性能の確認」プラスティックエージ2015年9月号 を参照願います。

 

当社(梅潭行)ではこの電荷移動錯体を樹脂に混錬する特殊な技術を開発して単にコンパウンドするだけでは得られないレベルの混錬度を達成しています。